水やり
【水やりが最も重要】
新芽が盛んに伸びる生育期には充分灌水し、休眠期には思い切って灌水を控え乾燥気味に管理するのが基本です。本来、着生植物で、根だけで高い樹上に張り付い
て生育する植物を、人間の都合で鉢植えにして育てるわけです。根腐れなどを起こさせない適度な灌水を慎重に行なわなければなりません。常に新鮮な水と、ま
た新鮮な酸素も同時に供給するということがポイントです。鉢の下に皿を受けて水を溜めておくということは、いつの季節においても絶対に避けて下さい。一般
の地面に生える植物とは異なるということをまず認識していただきたいと思います。
※注意:ここでの水やりは、一般家庭での無加温栽培を前提にしています。
12〜2月
バルブもほぼ完成し、新芽も成長していないこの時期は、水もほとんど必要ありません。気温も低いこの時期は、鉢の中が充分に乾いてから、夕方までには完全に
乾き切る程度のわずかな量を与えます。7〜10日に1回程度、晴天の日の午前中に行ないます。鉢の中が湿ったままで10℃以下になれば、根を傷めることになります。
3〜5月
日中の気温はやや上昇してきたとはいえ、明け方の最低気温が10℃以下に下がるようであれば灌水は控えます。4月を過ぎて夜温の上昇とともにわずかに灌水量を増やします。新芽が盛んに成長を始める5月頃より本格的な灌水を開始します。
6〜8月
高 温で生育も盛んなこの時期、充分な灌水を行なうようにします。根もよく張り、朝灌水しても昼過ぎには乾いているかも知れません。特に水苔で素焼鉢に植えら
れたものは注意が必要です。朝灌水したからと安心していると昼頃には完全に乾燥し、生育が鈍ったりバルブの充実の妨げになったりするに留まらず、高温障害
や葉焼けなどの害を生じる場合も考えられます。高温時に水が不足すると、株が脱水症状を起こし衰弱してしまうのです。水分の補給が充分できていれば、気温
が30℃や場合によっては40℃近いような高温になっても、デンドロビュームは蒸散作用で植物体の温度を調節し、高温障害は起こしにくいものです。なお真
昼の高温時、水滴が新芽の展開しているところや葉の上に溜まれば、短時間でお湯のような高温になって株を傷め、病気を発生させる原因にもなります。この時
期の灌水はなるべく朝方または夕方の涼しい時間帯に行なうよう心掛けましょう。
9〜11月
朝 夕冷え込み始める頃より徐々に灌水の回数と量を少なくし、11月頃にはバルブの充実を妨げない程度の最低限の灌水になります。生育期のような大量の水は必
要ありません。9月に灌水量を徐々に減らし、生育後期の管理に切り替えることが大きなポイントとなります。灌水を控えなかったために、せっかく立派に育った株の根を傷め、失敗した例は枚挙にいとまがありません。鉢がよく乾いたら晴天の日の午前中に、ごくわずかな量の灌水を3〜5日に1回位の割合で行なうと
よいでしょう。夜間の最低温度が10℃以下に下がるようになれば、7〜10日に1回程度となります。
開花時期
蕾
が大きくなるに従い、わずかに灌水量を増やします。基本的には鉢の中が夕方までには乾く程度とします。あくまで花は株の力で咲かせるのであり、灌水が多い
からといって立派な花は咲きません。またこの時期の水のやり過ぎは、根傷みを起こし取りかえしのつかないことにもなりかねませんので注意が必要です。
【ポイント中のポイント「生育期はしっかり灌水し、冬は思い切って乾かしておく」】
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