植え込み・鉢増し

●水苔で植える方法
素焼鉢との相性がよい植込材料です。化粧鉢やプラ鉢では乾きにくく根腐れしやすいため、栽 培管理に注意が必要です。水苔は値段がやや高いのが難点ですが、水苔自体にわずかながら肥料分があるためか、根の活着や生育が比較的早く、初心者の方にも 無難です。繊維の太い良質なものを用い、水に浸してよく水を吸収させてから軽くしぼってから使用します。やや固めに植えるようにします。

●ヤシガラで植える方法
【ヤシガラはアク抜きを】
化 粧鉢またはプラ鉢など、むしろ通気性がない鉢との相性がよい植込材料です。店頭でよく見かけるデンドロビュームの多くがこのヤシガラで植えられています。 これはヤシガラの方が安価なため、大量に栽培する農家が生産コストを低減する目的で使用しているからです。また寄せ植えなどで大鉢になった場合に、水苔よ りも管理が容易で栽培しやすいという理由もあります。ヤシガラの場合、まず使用する前に水に丸1日浸けた後、その水を捨て、また水に浸けるという「アク抜 き作業」を1週間位繰り返した後、充分に水切りをして使用します。水の替わりに40℃位のお湯を用いるとより効果的でしょう。「アク抜き」と表示があるヤシガラも、さらに何回かアク抜きした方が無難です。ヤシガラも、やや固めに植えるようにします。

●鉢のサイズ
【鉢選びは小さめに】
根が収まる範囲でなるべく小さめのものを使用します。大きすぎる鉢は根にとって大きな負担となります。大きい鉢は中が乾きにくいため、根もいったん湿るとなかなか乾かず、根腐れの原因となりやすいのです。気をつけたいポイントです。

●植え方
【植え込み直後の灌水は禁物!!】
まず鉢の底に4分の1くらいの発泡スチロール片を入れてから植えます。根が乾燥している場合、根に少し湿気を与えて根が軟らかくなってから植えましょう。 根の間にも植込材料が充分ゆき渡るようにし、根はなるべく鉢の周囲に添って、バランスよく拡がるように植えます。長い根は切らずに鉢の内側に添って螺旋 (らせん)状に回し込みます。根が傷んだ株は、根の腐った部分のみ取り除いて植えます。植え込む時に注意しなければならないのは、深植えをしないというこ とです。根の部分のみが植込材料の中に入り、茎の基部は必ず地表部に露出していなければなりません。やがて新芽が出てくる部分が植込材料の中に埋もれてし まわないようにします。鉢上げ(株を大きい鉢に植え替えること)は毎年行なう必要はなく、根がよく張って鉢の中に根が伸びる余地がなくなった場合にのみ、 ひとまわりだけ大きい鉢を用いて行ないましょう。根が健全で、鉢の中に根が伸長する空間があり、植込材料が傷んだ様子がなければ、植え替えや鉢上げは行な う必要はないでしょう。また、「株分け」は、根を傷つけ生育を鈍らせるため、どうしても必要な時(株が大きくなり過ぎた時など)以外はなるべく避けたいも のです。

●植え込み後の管理

植え込み直後の灌水は禁物です。ここが一般の多くの植物と大きく異なる所です。植え込み後2週間くらいは多量の灌水は控え、やや乾燥気味に管理し、根の回復 を待ってから徐々に灌水量を増やします。肥料は根が伸び始めてから徐々に施すようにします。油粕は植え込み後3か月位は与えてはいけません。植え替えは夜 間の最低温度が12〜13℃以上になり、新芽がスタートし、その新芽から根が伸び始めてから行ないます。植え終わった株はひと月位はやや光線の弱い場所に 置きます。


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